悩める3代目に吸い付く顧問
- 中沢
- 5月31日
- 読了時間: 2分
ここのところ立て続けに、老舗の中小企業の救済のご相談をいただきました。すべて創業50年以上の会社、3代目まで続いて、自力でやっていくのは限界だと判断したことが共通しています。
ただ残念なことに、私のところに話が来るまでに、相応の時間の迷走を経ています。
お金だけ取って偉そうな講釈(でも対象会社の内部事情をさほど分析せずに話すためにピント外れ)ばかりの顧問に頼る時間、財務がひどすぎるためにきちんと相手にされないのに専任契約で仲介会社に振り回された時間、それはただの時間の無駄というだけでなく、お金もかかりますし歳も取ります。
外部環境の(良くない)変化が大きい昨今、時間のロスは取り戻しようもないダメージになります。
最近の例では、課題が製造の部分にあることはちょっと財務諸表を見て現場に来て少し話を聞けばすぐにわかるのに、月2回のリモート会議で営業魂を入魂?してくれている顧問に毎月30万円払っている工場などありました。オーナー社長に「何か会社は良い状態になりました?」と尋ねると、もごもごもご…というお返事でした。そこで働いているスタッフは何年も昇給していなく、手取りは20万円に届いていません。
私にははっきりと再建への道筋が見えました。ただ最大のハードルは、当事者が過去のリセットに向けてどこまで覚悟を付けられるかによるのかとも思います。

不思議と、勢いのある声を聴いていると、他の人にも相談してみようという心境になるようです。他の例では勢いよく説教する税理士の指示に従い、M&Aという手段を考えなかったケースもあります。顧問税理士にとってはM&Aなんて自分にとっては百害あって一利なしの論点です。なぜならば無事に身売りできると、自分は切られる可能性が高いからです。
M&A仲介会社の業界では「顧問ブロック」と呼ばれていることは最近私も知りました。
指摘する根拠や指示の内容が曖昧な、先代からずっと関係性は続いているために3代目がモノ申しにくい、疑問を抱きにくい身近な第3者には要注意していただければと思います。
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